村上醍醐の日記

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【読書感想】「甘えの構造」土居健郎

村上醍醐です。

 

土居健郎「甘えの構造」を読んでの感想です。

 

内容紹介

親しい二者関係を基盤とする「甘え」の心性が失われ、無責任な「甘やかし」と「甘ったれ」が蔓延しています。変質しつつある日本社会の根底に横たわる危機を分析した書下し論考“「甘え」今昔”を加えた新増補版。

 

感想

「甘え」は幼児的であるとし、母から幼児に与えられるような「受身的愛」が日本的コミュニケーションの特徴であることが理解できれば、それだけでも十分本書を読む価値があると思う。与える愛ではなくて、受け入れる愛。

「甘えの構造」を英訳すると「The anatomy of dependence」となるが、おそらく殆どの日本人が「甘え」と「dependence」はちょっと違うのでは……と感じられるはず。

 

初版から40年経った現在でさえ、読めばそこかしこに新鮮な発見があり、なるほど現代社会にも日本人の精神構造を「甘え」から分析した切り口は通用する。しかし、裏を返せば40年もの間、日本人(いやおそらく世界中の人びと)の精神構造は変化することなく幼児化の一途を辿っているとも言えるような。

 

本書を読むと、日本人としてのアイデンティティを意識せずにはいられない。今までに諸外国を訪れ、何らかの違和感を感じたことのある人にはぜひ一読を勧めたい。その正体の糸口がつかめるかもしれない。

また、言語に興味がある人にも勧めたい。「くやしい」と「くやむ」の違いとかを論じている部分などは読んでて面白い。

 

文章それ自体は論理的に構成されていて、かつ文章中には難解な語が散在していて、ちょっとした国語の勉強にもなるかも。たぶん大学入試の模試辺りで採用されそうな文章レベルです。