【読書感想】「未来型国家エストニアの挑戦【新版】 電子政府がひらく世界」ラウル・アリキヴィ 前田陽二

読書

村上醍醐です。

 

未来型国家エストニアの挑戦【新版】 電子政府がひらく世界を読んでの感想です。

 

 

内容紹介

世界で最も進んだ電子政府を持つ国、エストニア。未来型のオープンガバメントをいち早く実現し、さらに進化させているこの国の現在の姿を最新情報とともに紹介します。さらに、それを支えるICT技術基盤や電子政府サービスの将来ビジョンも詳細解説。エストニア政府CIOのターヴィ・コトカ氏による序文も掲載。最先端のオープンガバメントに見る新しい社会像を体感してみませんか?

 

感想

病院のカルテや、マイナンバー制度を思い浮かべながら、興味深く読みました。

 

「新しい病院にいくと毎回イチから問診票を書くのが面倒」

「住所や緊急連絡先は変更があったら修正するようにしたらいいのに」

「せっかくマイナンバーがあるのだから、連携して効率化してほしい」

 

これらは、病院に行くたびに思うことです。もっとICTを活用して、何度も同じこと(しかも個人情報)をやめてもっと効率的にしたいです。

 

日本でICTを推進していくには30年後のビジョンを描き、そのなかでICTインフラに関する長期的な方向性を示し、20年程度かけてじっくり確実に進めていくといった姿勢が必要になってくるとありますが、なかなかそこまで先を見通すのは非現実な感じがしました。

今後も日本が持続的に発展できるよう、拡張性がありつつも柔軟性のある活気的なシステム構築が望まれるところです。

 

印象に残ったフレーズ

情報社会を構築するには、まず強力な技術と法的な基盤を作成する必要があります。

 

次の大きなブレークスルーは(特にブロックチェーン技術の急速な発展を見ると)、公共部門とヘルスケア分野からはじまります。

 

エストニアは「市民(利用者)からの情報を聞くのは一度だけ」という原則を持っていた。すなわち、政府サービスを利用する際、利用者が同じ情報を同じ形で何度も入力する必要がないようにしている。

 

日本のように困難な環境の中でICTを推進していくためには、あまり前のめりにならず、たとえば30年後に日本社会をどのようにしたいのかビジョンを描き、そのなかでICTインフラに関する長期的な方向性を示し、20年程度かけてじっくり確実に進めていくといった姿勢が必要になってくる。同時に、現行のシステムから移行するためのルールを示す必要がある。

 

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