【読書感想】「障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本」渡部 伸

読書

村上醍醐です。

 

渡部 伸「障害のある子が「親なきあと」にお金で困らない本」を読んでの感想です。

 

  

内容紹介

親がなくなったあとの生活には、どのくらいお金がかかるのか、
障害のある子どもにお金をどう残して渡せばいいのか、
だれが管理してくれるのか。
本書では、親なきあとの経済的な問題にフォーカスして、
くわしく解説していきます。
第1部では、ひとり暮らしになった障害のある子どもに入ってくるお金と、
必ず出ていくお金にはどんなものがあるか。
また、どのようなサポート体制があるのかを紹介。
第2部では、生活のために必要なお金が、
確実に本人のために使われるようにするにはどんな管理方法があるのかを紹介します。
「親あるあいだ」に準備すべきことを、具体的な事例を参考にしながら考えます。

 

感想

まさにタイトルどおりの本です。

 

自身の子どもも知的障害を持つ(著者HPより)行政書士である著者が、親(読者たち)がいなくなったあとの子どもが生きる上で助けとなる公的支援や親が生前出来ること・すべきことについて分かりやすく端的にまとめています。

本書は、特に「金銭面」についてフォーカスされています。

障害児をもつ当事者の感想としては、リアルな視点で書かれていて、とても役立つと思わされたので、将来のために本書は保管しておこうと思いました。

一つ大きなポイントとしては、障害をもつ子どもが働けるかどうか、契約能力があるか、という2点が大きな分岐点になりそうです。

どのようなことになろうとも、子どものことを最も近くで考え助けられるのはやはり親であると思うので、生きている間に、できるだけの準備をして、残された子どもたちが幸せに安穏に人生を過ごせるようにしなければならないという思いを強くしました。

 

印象に残ったフレーズ

でも実は、障害のある子には 必要以上にたくさんのお金を残すことはない、と私は考えています。  それはなぜか。障害者はさまざまな場面で福祉の支援を受けており、最低限の生活はできるような社会保障がなされています。もちろん、より豊かな生活を楽しむためには不十分なものですが、子どもに一生涯かかるお金を、親がすべて工面しておかなければいけない、といった状況ではありません。  逆に、資産を持っていることによって、子どもに浪費癖がついて、かえって借金してしまったり、だましとられてしまうなどのリスクをかかえることも、あり得るからです。 

 

その最低限の生活が保障されるために、やっておかなければいけないことはあります。それは、療育手帳などの手帳を取得すること、就労賃金や年金・手当などの定期的な収入源を用意しておくこと、子どもの生活の場所を確保すること、病気のリスクに備えることなど、さまざまです。そしてこれらの準備は、親が元気なあいだに、子どものためにしてあげられることです。

 

継続的に仕事をすることがむずかしい障害者であれば、収入の柱になるのは 障害年金 です。

 

あなたの子どもが未成年であれば、成年時に確実に 障害基礎年金 を受給できるように準備しましょう。 

 

 

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