村上醍醐の日記

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【タイムトラベル・ループもの】読んだら止まらない小説8選

村上醍醐です。

 

これまで少なくとも1000冊の本を読んできた私が「読んで良かった」と思ってもらえるような本を数冊紹介します。

今回は時間を扱うSF小説のおすすめをいくつか紹介します。

 

 

▼海外小説編

1.夏への扉

ぼくの飼っている猫のピートは、冬になるときまって夏への扉を探しはじめる。家にあるいくつものドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。1970年12月3日、かくいうぼくも、夏への扉を探していた。最愛の恋人に裏切られ、生命から二番目に大切な発明までだましとられたぼくの心は、12月の空同様に凍てついていたのだ。そんな時、「冷凍睡眠保険」のネオンサインにひきよせられて…永遠の名作。

タイムトラベル物の古典的名作です。「冷凍睡眠(コールドスリープ)」によって1970年から30年後の2000年にタイムトラベルする天才発明家の物語で愛猫がまた印象的です。初出は1956年なので、ネタに目新しさはないですが、各素材が丁寧に料理されて飽きません。読み終わった後は、とても爽やかな気持ちになれる作品です。

 

2.リプレイ 

ニューヨークの小さなラジオ局で、ニュース・ディレクターをしているジェフは、43歳の秋に死亡した。気がつくと学生寮にいて、どうやら18歳に逆戻りしたらしい。記憶と知識は元のまま、身体は25年前のもの。株も競馬も思いのまま、彼は大金持に。が、再び同日同時刻に死亡。気がつくと、また――。人生をもう一度やり直せたら、という窮極の夢を実現した男の、意外な、意外な人生。

過去がやり直せたら、自分の人生はきっと今とは違ったものになったに違いない。誰もが一度は夢想し、創作物としてはあまりにもありふれたテーマですが、これは面白い。日本語訳に少々突っかかるところがありますが、あまりの面白さに力業でねじ伏せられます。「生きる」とはどういうこと考えさせられる示唆を含んだ作品です。

 

3.時のかなたの恋人

 

恋人に捨てられて教会で泣いていたダグレスの前に、16世紀イングランドの伯爵を名乗る奇妙な男が突然現れた。無実の罪で捕われた部屋に女の泣き声が聞こえ、気づくとここにいたのだという。このままでは処刑されてしまう彼の運命を変えるため、ダグレスのタフな愛の冒険が始まった。―400年の時を越えて永遠の絆を求めあうふたりの、せつなく優しいタイムスリップ・ラブ・ロマンス。

隠れた名作だと思います。読む前はSF小説として期待していたのですが、ラブロマンスとしても予想以上に面白かったです。後半、中世パートが本書の真髄でしょう。ラストも個人的にはアリ。ただ気になるのは主人公の性格と、全体的に肉付きがよすぎる文体でしょうか。ココらへんは好みが分かれるかもしれません。。

 

▼国内小説編 

4.スキップ

昭和40年代の初め。わたし一ノ瀬真理子は17歳、千葉の海近くの女子高二年。それは九月、大雨で運動会の後半が中止になった夕方、わたしは家の八畳間で一人、レコードをかけ目を閉じた……目覚めたのは桜木真理子42歳。夫と17歳の娘がいる高校の国語教師。わたしは一体どうなってしまったのか。独りぼっちだ――でも、わたしは進む。心が体を歩ませる。顔をあげ、《わたし》を生きていく。

北村薫氏の「時と人の三部作」の第一作です。17歳の少女がある日42歳になってしまう・・・時間を「スキップ」してしまうのですね。美しい日本語で語られる荒唐無稽な時間跳躍のお話を、同年代の時に貪るように読みました。主人公を襲う境遇と最終的な結末は何故か衝撃的に映りました。人によっては納得のいくラストではないかもしれません、主人公が受け付けない人もいるかも知れません。それでも私はこの作品が好きです。大切な何かを教えてくれる一冊だと思います。

 

5.ターン

真希は29歳の版画家。夏の午後、ダンプと衝突する。気がつくと、自宅の座椅子でまどろみから目覚める自分がいた。3時15分。いつも通りの家、いつも通りの外。が、この世界には真希一人のほか誰もいなかった。そしてどんな一日を過ごしても、定刻がくると一日前の座椅子に戻ってしまう。ターン。いつかは帰れるの? それともこのまま……だが、150日を過ぎた午後、突然、電話が鳴った。

北村薫氏の「時と人」シリーズ第2作です。「スキップ」は、時の途中が欠落してしまった世界を主人公が懸命に生き受容していく姿を描きましたが、本作品は、螺旋状の時間を描いています。モチーフとしては前述の「リプレイ」と同様に何度も同じ時間を繰り返すというループものの設定で創作物にはありきたりですが、本作は「その繰り返しの世界には主人公しかいない」というところがユニークです。つまり主人公だけが時間に取り残されているのですね。読んでいくうちに恐怖が少しずつ高まっていくその時、「電話が鳴る」そのシーンは本当に背筋が震えました。おすすめです。

 

6.リセット

遠く、近く、求めあう二つの魂。想いはきっと、時を超える。『スキップ』『ターン』に続く《時と人》シリーズ第三弾。 「——また、会えたね」。昭和二十年五月、神戸。疎開を前に夢中で訪ねたわたしを、あの人は黄金色の入り日のなかで、穏やかに見つめてこういいました。六年半前、あの人が選んだ言葉で通った心。以来、遠く近く求めあってきた魂。だけど、その翌日こそ二人の苛酷な運命の始まりの日だった→←流れる二つの《時》は巡り合い、もつれ合って、個の哀しみを超え、生命と生命を繋ぎ、奇跡を、呼ぶ。

北村薫氏の「時と人」シリーズ第3作です。「スキップ」「ターン」に比べると、恋愛要素が強いです。なので、ちょっと人を選ぶかもしれません。最後はとても温かく幸せになります。「想いはきっと、時を超える」・・・このキャッチフレーズがピッタリな一冊です。

 

7.マイナス・ゼロ

 

1945年の東京。空襲のさなか、浜田少年は息絶えようとする隣人の「先生」から奇妙な頼まれごとをする。18年後の今日、ここに来てほしい、というのだ。そして約束の日、約束の場所で彼が目にした不思議な機械―それは「先生」が密かに開発したタイムマシンだった。時を超え「昭和」の東京を旅する浜田が見たものは?失われた風景が鮮やかに甦る、早世の天才が遺したタイムトラベル小説の金字塔。

タイムトラベル小説の傑作とされていますが、納得です。タイムトラベルの扱い方はもちろん、本書の魅力は、昭和7年という初期の日常生活の描かれ方にこそ真髄があります。人々の付き合いや人情、テクノロジーの発達とその浸透を通した人々の描写が丁寧でとても温かく感じられます。おそらく著者の思い入れも強いのでしょう、一部冗長だなと感じる箇所はなくはないのですが、それを補って余りあるトータルの面白さがあります。ただただ夭逝した著者への敬意を表せずにはいられません。

 

8.七回死んだ男

高校生の久太郎は、同じ1日が繰り返し訪れる「反復落とし穴」に嵌まる特異体質を持つ。資産家の祖父は新年会で後継者を決めると言い出し、親族が揉めに揉める中、何者かに殺害されてしまう。祖父を救うため久太郎はあらゆる手を尽くすが―鮮やかな結末で読書界を驚愕させたSF本格ミステリの金字塔!

いわゆる「ループもの」を扱ったミステリ小説です。タイトルが素晴らしいですね。つい手に取りたくなってしまう秀逸なタイトルだと思います。とても読みやすいので、ちょっと変化球のミステリ小説を探している方に大いにおすすめしたいです。

 

まとめ

1冊でも気になる本が見つかれば幸いです。