村上醍醐です。
はじめに
ジュラシックワールドアライブをプレイして、前々から思っていたのですが、恐竜のタイプは実際の恐竜の分類に合わせて調整していると思われます。
例えば、
ティラノサウルス系であれば、攻撃力が高いが鈍足
ヴェロキラプトル系であれば、スピードがあるが体力がない
ステゴサウルス系は、体力がある
アンキロサウルス系は、アーマーが高い
などです。
今回の趣旨
そのなんとなくの感覚を、今回は統計的手法を用いてビジュアル化してみようというのが、本記事の趣旨です。
単純な個人的興味と趣味なので、決して攻略記事ではありません。予めご了承ください。
今回行う手法
用いるのは「クラスター分析」というものです。
クラスター分析については、企業の解説が詳しいので、下記からどうぞ。
「クラスター分析」は、大きな集団の中から、似たもの同士を集めてグループに分ける統計的な分析手法です。
クラスター分析は、それぞれのデータ同士が「似ているか」、または「似ていないか」を基準に分類しています。統計的には、相関係数などによって類似度を計算したり、ユークリッド距離(2点間の直線距離)などによって非類似度を計算したりといった作業を重ねて分析が行われます。
今回は、恐竜の系統樹(進化樹形図)と似せてみるという意図もあり、樹形図(デンドログラム)と呼ばれるトーナメント表のような図で視覚化できる「階層的手法」を採用します。
分析の流れ
用いるソフト
クラスター分析は、いわゆる統計ソフトでなくても、エクセルでもできるのですのが、専用のマクロだったりアドインだったりが必要になります。今回は下記サイトのマクロを活用させていただきました。厚く御礼申し上げます。
24.多変量解析・統計学
┗ ⑥クラスター分析(‘2013/12/20差替え)
データソース
その際に用いるデータソースは、metahubのDinodex とします。
ただver1.5のデータが12/1時点で未反映のため、ver1.4時のデータで分析をおこないます。
用いる情報
用いる情報は以下のみとし、定量化することが難しいため、スキルの内容は加味しません。
- 体力
- アーマー
- 攻撃
- 速度
- クリティカル率
また、「ジュラシックワールドアライブ最強の恐竜についての考察」で用いた、パッシブスキル(免疫、カウンター)も今回は分析対象から外します。
さらに、今回対象とするのは実在した恐竜のみです。(4姉妹のみ採用)
分析の設定
クラスター分析の距離測定方法にはさまざまな方法がありますが、今回は、全体にデータがバランス良く分類されやすいとされ、最もよく使われている「ウォード法」を採用しました。
分析結果
ちなみに恐竜の色分けは、実際の恐竜の系統樹と対応させています。同じ色は、同じ系統の恐竜だとお考えください。
ただ、獣脚類と竜脚類が少し離れてしまっているなど、実際の系統樹とはやはり位置関係は異なりますね。ここは仕方ないでしょう。
恐竜の系統樹(進化の樹形図)をまとめてみました。左から右に見てください。
改めてわかること。・翼竜は恐竜ではない
・首長竜も恐竜ではない
・モササウルスも恐竜ではない
・ワニはもちろん恐竜ではない・現代の鳥類の祖先は恐竜(獣脚類)である#恐竜#ジュラシックワールドアライブ pic.twitter.com/YwQLTYHnSO
— murakamidaigo (@murakamidaigo83) 2018年11月30日
詳しく見てみる
上のゾーン
結果が縦に長いため、3分割して見ていきます。
まずは一番上のゾーンです。
ここは、
薄い青:翼竜(SIA持ち)
黄色:鳥脚類(スタン持ち)
赤色:獣脚類(ゲーム内でカウンター持ち)
紫色:竜脚類(高体力)
のゾーンのようです。
SIA持ちと、スタン持ちはステータス値が似ているということですね。
そして特に興味深いのが、カウンター持ちが見事にクラスターとして形成されている点です。これは意図的にステータスを設定しているということでしょう。
真ん中のゾーン
ここも、割合キレイにクラスターができています。
若草色:鎧竜(高アーマー)
肌色:角竜(スタン持ち+アーマー)
赤色:獣脚類(高攻撃力+高クリティカル)
のゾーンのようです。
上のゾーン下部と隣り合っているのは鎧竜たちです。耐久力という点で、ステータス値が似ているということでしょう。
そしてその隣の角竜になると、そこそこの防御力も有しつつも攻撃力が高いラインナップです。ステゴサウルス・ウェルホサウルスは剣竜類ですが、ステータス的には角竜類に近いようです。
さらに下に行くと、「ザ・肉食恐竜」たちが並びます。ここはクリティカル率が高いゾーンですね。なので、アルゼンチノサウルスやオフィアコドンもいます。
下のゾーン
さらに下に行きます。
ここは、大きく2つの塊があります。
赤色ゾーンは、獣脚類(スピードタイプ)ですね。真ん中のゾーン下部と隣り合っているので、やはり獣脚類トータルで似たステータス傾向と言えそうです。ブルーはアーマーも高いので、このゾーンの中では最も上に位置するのも納得です。
ただ、その下、最後のゾーンが謎です。
いろいろな系統の恐竜たちがひしめいています。あえていうとスティギモロクなどの「堅頭竜類」のゾーンと言えるでしょうか。ここにスピノサウルスたちもいるので、堅頭竜類と裂傷持ちはステータス値が似ているようです。確かにスピードがそこそこあるが、攻撃力は抑えめ、という点は共通していますね。これは新たな発見でした。
まとめ
ジュラシックワールドアライブのステータス値でクラスター分析をかけたところ、実際の系統樹とは位置関係が異なるものの、系統別に大体グループとしてまとまりました。
つまり、恐竜の分類で大体似たようなステータス値が設定されていることが統計的にも示されたと言えるでしょう。
もし機会があれば、ハイブリッド恐竜も含めて分析してみると、また面白い結果が見られそうです。特に今回の分析に遠いと判断された恐竜同士のハイブリッドですね。
例えば、ディロラノサウルス(オウラノサウルス+ディロフォサウルス)はステータス的にどちらに近いのか? など興味は尽きません。
本ゲームは、ゲーム自体が戦略性もあり面白いのですが、個人的にはこのような楽しみ方もできるよいゲームだなと感じています。