「俺ガイル完」Blu-ray&DVD初回限定版特典の書き下ろし小説「俺ガイル‐新‐」第1巻の感想です。ネタバレを含みますので、くれぐれもご注意ください。
あらすじ
満開の桜が青葉に変わっても、 彼ら彼女らの青春は終わらない。
知り合いが葉山隼人と海老名姫菜しかいない、 ハードモードのクラス替えで始まった比企谷八幡の新学期。 放課後に足を運ぶのは、 もちろんいつものあの場所で……。 変わらない日常と、 少しずつだが変わっていく関係性を少しこそばゆく思いつつ、 八幡はその後の「ある予定」に頭を悩ませていた。 「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。 」3年生編、 開幕!
章別感想
prelude かくして、比企谷小町はかく語りき。
いきなりハイテンションの小町視点で始まります。
相手が誰なのかは、この先読み進めていくと大体察しがつきます。
小町の反応があっちに行ったりこっちに行ったりと、その可愛らしさが冒頭から全開で、掴みはオッケーという感じです。
だから、思春期は終わらない。
あらすじにあるように、知り合いが葉山隼人と海老名姫菜しかいない教室での様子を描いた1コマ。
相変わらずの葉山と海老名ですが、ある変化が起きます。
それは新キャラ 富岡美緒(とみおかみお)。
学級委員長とのこと。
俺ガイルの特徴として、それなりに作中で役割を持つキャラクタの名前は韻を踏んでいる傾向があります。(ゆきのしたゆきの、ゆいがはまゆい、えびなひな、ひらつかしずか・・・)
ということは、彼女がこの「新」のストーリーになんらか絡んでくると思われます。
初っ端から八幡を「ヒキガヤ」と正しい名字で呼んでいたり、視線を外さなかったりと好感度高そうな描写が印象的です。
特典小説的な安易な展開になるのか、あるいは一捻り加えてくるのか、2巻以降が楽しみですね。
それでも、彼ら彼女らの日々は続いていく。
奉仕部のやりとりです。
かつての3人に加えて、一色いろは、小町が加わって一層にぎやかになっています。
いろはは、コミュニケーションの振れ幅が大きいな・・・時々心配になります。
雪乃が、順当に八幡化している感じがいいですね。最初のツンケンした雰囲気はもはや見る影もありません。
結衣は、この「新」でどういう立ち位置になるのか。今の所うまく奉仕部には溶け込んでいますが、このままということはないでしょう。前述の富岡さんの登場もどう影響してくるのか。
あとこの章を呼んでいると冒頭小町と話している相手は、雪乃の姉・陽乃だとなんとなくわかります。
interlude
いろは視点の語り。
結衣の描写がやはり切なげに見えます。
繰り返しになりますが、正直、雪乃と付き合ったあと読者が見たいのは雪乃との絡みで、結衣・いろはをどう扱うかって難しいんですよね。
次巻以降どう料理するのか期待です。
前略、道の上より、千葉が誇る世界の車窓から。
雪乃の母、通称「ママのん」(+陽乃)との食事会に向かう二人の千葉モノレールでの一コマ。
会話や仕草の節々から、二人の距離が近づいている感じが伝わってきますね。
今回は、素直に二人の様子を楽しむのが正解かと。
まとめ
正味100ページ弱の特典小説となっていますが、相変わらず魅力的なキャラクタ描写と軽快な筆致で満足度は高いです。
最後には作者によるアニメ各話の解説もあります。
新キャラも登場して今後の展開も楽しみですね。