「俺ガイル完」Blu-ray&DVD初回限定版特典の書き下ろし小説「俺ガイル‐新‐」第4巻の感想です。ネタバレを含みますので、くれぐれもご注意ください。
章別感想
interlude 遺憾ながら、彼女の前には山積みのタスクがある。
いろは視点の語り@生徒会室。
タイトルは「遺憾」とありますが、生徒会という場所に大いに救われているであろういろは。
じゃあ彼女の本来居るべき場所なのかどうかというと微妙なのですが。
副会長と書記ちゃんのその後も描かれます。
どうやら順調に関係を築いているようで、様々な人間関係が先に進まずにはいられないことを、いろはの目を通して突きつけられている気分になります。
副会長と書記ちゃんを通して、八幡と雪乃を重ね、その先に何を思うのか。
案外interludeにしては読み応えのある一章です。
送られなかった多くの言葉を、彼女は知らない
本編に戻り、結衣にデートに誘われた八幡。
彼にその誘いを断る勇気もなく・・・
その旨、雪乃に一言LINEで連絡する、ただそれだけの章。
それをここまで面倒に愛らしく描くのが、この「俺ガイル」という作品の真骨頂でしょう。
一挙手一投足に八幡らしさがあり、結衣らしさがあり、この章は読んでて俺ガイル新を読み続けてよかったな、と思えました。
interlude 送るまでの多くの迷いを、彼は知らない
前章を雪乃側から描いたもの。
雪乃のあの返信までにどのような心の機微があったのかが窺い知れます。
14巻まででは、八幡以外の感情を見ることがあまりできなかったので、こうしてinterludeでいろはや雪乃の思いが綴られることで、俺ガイルという物語の多面性が生まれ、味わいが深くなりますね。
そして日はまた沈み繰り返していく。
そして、八幡と結衣は二人で語り合います。
結衣の良さが存分に出ていますね。
最後の言葉にはグッときました。
かくして、ふたたびその扉は叩かれる。
八幡から先日の失態を雪乃に謝罪して、とりあえず一件落着。
とはいえ、結衣といろはの思いも溢れ出ているのがたまりません。
お菓子を比喩に3人に見立てた描写がとても巧いですね。
そして、最後に奉仕部に新たな依頼が舞い込まんとするところで本巻は終わりです。
まとめ
前巻は少し短かったですが、今巻の特典小説は80ページほどにボリュームが戻りました。
やや雰囲気が暗くなりがちな俺ガイル新でしたが、一旦ここで一区切り。
今後は新たな依頼が軸となって展開していくでしょう。
おそらく俺ガイル新の1巻がでてきた新キャラが絡んでくると予想しており、楽しみです