「俺ガイル完」Blu-ray&DVD初回限定版特典の書き下ろし小説「俺ガイル‐新‐」第5巻の感想です。ネタバレを含みますので、くれぐれもご注意ください。
章別感想
prelude そして、比企谷小町はふたたび語りき。
小町視点の語り@喫茶店(?)。
相手は描写から割と明らかです。
「ロマン」「優しい手付きで頭わしわし」「ずっと見てきた」・・・
これは次の最終巻での登場フラグでしょうか。
非常に楽しみです。
こうして、奉仕部の新たな活動が始まる。
本編に戻り、いつもの奉仕部。
予想通り、俺ガイル新の1巻に登場した富岡美緒が依頼者として登場します。
クラス会の開催について奉仕部に依頼するわけですが、本章のポイントは2点。
相変わらずの奉仕部の掛け合いのテンポの良さと心地よさ。
カラオケのくだりは、笑ってしまいました。
そして、富岡さん(おとみちゃん)の愛らしさですね。
富岡さんはこれまでの俺ガイルにはいなかった「小動物系」キャラのようです。
うん、悪くないですね・・・
ふとしたことで、緊張と沈黙は突然に降りかかる。
基本は奉仕部と富岡さんの掛け合いでクラス会の企画を練っていきます。
本巻で見え隠れするのは、奉仕部の部長としての小町です。
preludeでも描かれていますが、今後の奉仕部は小町が残していくという自身の思いもありつつ、八幡たちは小町に何かを残していこうとします。
俺ガイル新の着地点はそのあたりなのかもしれません。
それにしても、ちょっと油断すると結衣といろはがグイグイきますね(苦笑)
interlude 比企谷小町は猫の運命を決めない。
相談後、残された小町と富岡さんの二人の会話。
富岡さんの本作における存在意義は「外から見た八幡と雪乃、あるいは奉仕部の関係性」をどう表現するか、というところでしょうか。
読者含め、彼らを知る者が見れば納得しあえて言語化しようとしなくてもわかる関係性も、さぁ何も知らない外から見たときに彼らをどう定義するのか。
俺ガイル本編の終盤が、八幡・雪乃・結衣の3人の心情・内面にフォーカスされたが故に、その物語で辿り着いた結論を外から観測することで、あるいは言語化することで確定すること・・・その重要性を読者に投げかけているように感じました。
その距離と時間が彼と彼女に必要なら。
八幡と雪乃の放課後デートになります。
雪乃好きには堪らない章かと。
そしてなりたけのダイレクトマーケティング。
描写からすると、津田沼店でしょうか。
ちなみに、雪乃が注文した「しょうゆラーメン」はファミリーマート限定でカップラーメン化されています。
追伸、皮肉と喧騒の中で箱は開かれる。
そして、無事クラス会は開かれました。
特にひねってはきませんでした。
そして最後が最高の見せ場ですね。
interludeでも触れられたシュレディンガー(シュワルツェネッガーではない・・・)の箱を八幡自ら開きます。
八幡なりの精一杯の言葉に富岡さんとともに読者も大きく頷いたはずです。
まとめ
今巻の特典小説も100ページほどでしたが、ページ数以上の読み応えと満足感です。
新シリーズ通して読んできましたが、この5巻が最も満足度が高いです。
さて、次巻が俺ガイル新の最終巻となるわけですが、どう締めるのか。
一気に時間軸が飛ぶ可能性もなきにしもあらずな感じですが、5巻までの延長線上でいくなら、小町自身が奉仕部の依頼を受けて完遂し、完全に引き継ぎを完了するところで終わりかな、とは思います。
おそらく新で描きたかったことはほとんど描かれたと思うので、締め方は割とどうにでもなりそうですが、新プロジェクトもあるので含みを持たせる形になるかもしれません。